リメイクとは原作を現代風に、あるいは新しい発想で再構築したものである。
つまり、原作をベースにしてグラフィックや音楽を現代風にしたり、例えばシステム面ではパリィを入れたり、ブレイクゲージなどの弱点を追加したりするものだと思う。
このゲームのリメイク部分はどうだろうか。イラスト風のヌルヌル動くキャラクター、原作を大事にしたアレンジBGM、4人同時プレイ可能、新キャラクターの追加など頑張っている部分は確かにある。しかし、残念ながら基盤となる原作のゲーム部分の理解力が完全に足りていない。
明後日の方向に向かってしまうまったくやる気のない雑魚敵、飛び道具を撃っているだけでやられてしまうラスボス、いい加減すぎる敵配置。これらは難易度難しいでも同じである。
確かに原作は難しかったが、プレイヤーに楽しんでもらえるように当時なりに頑張って作ってある。しかし本作は一部ステージを短くしたり、特定の敵の出現場所を1か所だけにしたりするゲームデザインがなされている。原作をやり込まずに「難しいから」と言う理由だけで変更したとしか思えない改悪である。
予算が足りなかったのか、全キャラの隠し技が未実装なのも残念過ぎる。ベルトスクロールアクションでアイテムを拾うモーションが出て、アイテムを取りそこなったのはこのゲームが初めてかもしれない。
はっきり言って原作に忠実な移植の方が100倍マシだっただろう。その上でタイムアタックやスコアアタック、ボスラッシュや、ミッションステージ、出来れば新ステージの追加などを行って、オンラインランキングがあれば神ゲー評価になったかもしれない。そのくらい原作は魅力的で面白いゲームなだけに勿体ない。
原作では通常攻撃の初段は気持ちよく連打出来たが、今作では何故か連打できずに初段のモーションが終わるまで待たされるセンスのなさ。現実的におかしいから?動作が人間的でないために没入感が減るから?
筆者に言わせれば「そんなリアリティなどクソ喰らえ」である。
現実との整合性を優先した結果、ゲームの魅力や面白さが損なわれたらそれに何の意味があるのだろう。
原作ファンにはとてもじゃないがお勧めできないが、ゾンビが好きだったり、簡単なゲームを仲間とワイワイ楽しみたいなら金額を考えたら十分楽しめるかもしれない。開発は限られた予算や大人の都合の中で頑張ったのかも知れない。
しかし、原作をあまり大事にしていないし、仕様もない発想が透けて見えるリメイクになっているのが残念でならない。
リメイクとは原作を尊重した上で、現代でも楽しめるように再構築されたものを言うべきである。
レベルデザイン | 2 |
リメイク度 | 3 |
BGM | 8 |
価格 | 7 |
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