【レビュー】ロードス島戦記ーディードリット・イン・ワンダーラビリンスー

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ー『妥協』ー

ドット絵ながら綺麗なグラフィック、心地よい音楽、ストレスのない操作性。
非常に商品としてのツボを押さえたゲーム作りで開発は良い仕事をしていると思う。種類の多い武器、隠し部屋、ミニゲームなど探索し甲斐のある丁度良い広さのマップ。TRPG由来のサイコロ演出。名作シューティング「斑鳩」を思わせる属性切り替えによる敵の攻撃の無効化システム。
ゲームとして見るべき点は多い。

しかし、圧倒的にゲームとしての魅力が足りない。
原因はこのゲームの根幹部分が良く分からないのが大きな理由なんだと思う。例えばどんなに綺麗な服を着ていようが、どんなに歌が上手かろうが、どんなに社交性が高かろうが、そいつがクソ野郎なら大して意味もないようなものではないだろうか。
別にこのゲームがクソゲーと言いたいわけではない。むしろどちらかと言えば面白いゲームだろう。
中心部分がちゃんとしてないだけだ。

メトロイドヴァニアとして特別目を引くような点は感じられないし、ゲームのボリュームも7時間もあれば充分クリアできるような内容で正直物足りない。武器や魔法が非常に強く、システム面も強いので縛りプレイでもしないと攻略の手応えも感じにくいだろう。多彩な攻撃で作り込まれていそうなボス戦でさえ、ランダム要素が少なくパターン化しやすいので慣れたら作業になりやすい。
プレイヤーはこのゲームの一体どこに独自の価値を感じたらいいのだろうか。
何より一番中心に据えるべき「ロードス島戦記」の魅力が原作を知らない人には伝わってこないのが致命的過ぎる。ボイスもなければ一枚絵もないのでアニメ当時の表現や主人公のディードリットの美しさがまったく表現されていない。
ストーリーは原作を知らなくても全く関係ないのが分かるくらいどうでもいい出来である。
累計1000万部越えの人気作の「無駄遣い」と言われても仕方がないだろう。
ただ、弓矢を使ったパズル要素は頭を使ったのでいくらかやりごたえがあった。登場人物やボスなどのグラフィックは原作再現度は高そうなので、その点も原作ファンなら嬉しいかもしれない。

そこそこ楽しめるし悪いゲームでは決してないが、開発の技術力の高さが感じられる作品なだけに「もっとやれただろう」と言わずにはいられない、悪い意味で「妥協」したゲームとして筆者は評価したいと思います。

 

【レビュー評価 6/10 】

原作のゲーム化
3
魅力 3
グラフィック 8
とっつきやすさ 8

【レビュー動画(ずんだもん&松嘩りすく)】

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