子供の頃、ホラー映画や怪談話を本気で怖がっていた。日本人形や深夜の鏡になぜか無性に恐怖を覚えた。そんなすべてに敏感ですべてが新鮮だった懐かしいあの頃の感覚を思い出させてくれるのが本作である。
主人公の少女を操作して夜の様々な場所を探索し、アイテムを収集するのがゲーム内容の大半。
なのでゲームプレイが単調で、すぐ物足りなくなるのが非常に残念だが、淡い色合いのイラストタッチのグラフィック、虫の鳴き声や風で揺れる木々などの環境音、全編ぼほひらがなのテキストなど、とにかく雰囲気づくりに全力を尽くしていてまるで子供時代に戻ったかのような感覚すら覚えるのはお見事である。
何かから逃げながら探索を進めるのだが、一部で結構難易度が高い。収集物もほぼノーヒントで集めることになるので、コンプリートするのは激ムズだろう。このゲームが発売された時期の2015年を考慮しても不親切である。
ゲームのボリューム不足をやたら多い収集物や難易度でかさ増ししている感も否めない。
何かが近づいてくる際に心臓音が鳴り、走る際に必要なスタミナの消費が早くなるシステムは良く出来ているし、このゲームによく合っていると思う。
ネタバレになるので詳しくは言えないが、演出もかなり素晴らしい所があるのは触れておきたい。本作がシリーズ化している大きな理由の一つなのは確かだろう。
ゲームとしては決して褒められたものではないが、幼かった頃を思い出すという一点において唯一無二の魅力がある本作は、筆者は特別な体験が得られたのは間違いない。
このゲームをプレイして忘れられない体験をし、また、忘れていた体験を思い出す。あなたもこのゲームで思い出してみませんか、怖くて儚く、そして美しい記憶を。
ゲームの単調さ
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2 |
攻略の情報不足
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2 |
「うん」と「やだ」
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7 |
演出
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8 |
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