【レビュー】Disco Elysium – The Final Cut

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ー『不遇の力作』ー

このゲームはとにかく作り込みが半端ない。
テキストは100万語以上の圧倒的なボリュームで選択肢も豊富。選んだ選択肢によって物語も一部変化するし、NPCのセリフも細かく変わる。思想、愛、政治、差別、ドラッグ、生死など多くのテーマを含んでいて、ロールプレイしがいがあるゲーム体験になるだろう。
グラフィックはインディーながら非常に凝っていて、全体的に油絵のようなタッチで描かれるビジュアルはとても頑張っている。しかも3Dポリゴンで服装や持ち物までしっかり反映される作り込み。
更にはこのテキスト量でなんと完全フルボイス。チェックするだけでも大変な作業だろう。

もう面白いとかそういうレベルじゃなく、良くここまで作り込んだという点だけで評価してもいいんじゃないかと思える出来である。
ゲーム内容もNPCと会話していくことで発生するタスクをこなしていけば良いだけなので非常に分かりやすいし、ゲームを中断、再開するのもやりやすい。メインストーリーははっきり言って仕様もないし、プレイ時間も1周40時間以上はかかると思うのでプレイヤーの負担は大きいし、ゲームプレイがほとんどテキストを読んでいるだけなので読書が苦手な方にはお勧めできないし、気になる欠点はあるが、そんなのは細かい事に感じられるくらいよく作ってあるのは間違いない。

しかしこのゲームはゲーム以外で大きな問題点を抱えており、開発者の主要メンバーが不当解雇され、開発会社が投資家によって乗っ取られている様なのである。
開発者の元主要メンバーは裁判を起こしており、現在も係争中のようです。なので、とてもじゃないが購入をお勧めするとは言いにくいのが非常に残念。

これだけ頑張って作ってあるゲームをお勧めする事が出来ないと言うのは非常に残念だが、ゲーム業界にこういった「本当にろくでもない人物がいる」と言う事を伝えられただけでも意義があると思いたいです。

 

【レビュー評価 7/10 Good!】

メインストーリー 3
投資家によるスタジオ乗っ取り&不当解雇 1
ロールプレイ 10
テキストの作り込み 10

【レビュー動画(ずんだもん&松嘩りすく)】

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