【レビュー】Mortal Shell

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ー「グラフィック至上主義と価格の暴力」ー

このゲームの売りは間違いなくこれである。
実際、グラフィックはインディーゲームとは思えないくらいに綺麗で作り込まれている。キャラ、背景、オブジェクトどれも文句なし。ゲーム中のヒントをテキストではなく、ムービー演出で出してくる点からもいかにこのゲームがグラフィックに力を入れており、かつ自信があるのかが窺い知れる。

では肝心のゲーム内容はどうだろうか。
意地悪な敵配置や罠、基本的に紙装甲な主人公、スタミナ制でゴリ押しの効きにくい戦闘、パリィがあったり、トリガーで攻撃など、とてもソウルライクな作りになっている。やられると「ター」と言う名のソウル的なものをすべて落とすのも定番の要素だ。
つまり、はっきり言ってゲームプレイに新鮮さはほぼ感じられない。よく言えば定番の面白さ、悪く言えばありがちなゲーム内容と言える。このゲーム独自の要素「硬化」は自身をその名の通り硬くして攻撃を防ぐスキルだが、使い道はほぼ回避と一緒である。クールタイムがあるのも、スタミナを消費する回避と似たようなもの。本家がひたすらごろんごろんして戦うようなゲームなのに、なんと更にごろんごろんを重ねてきたのである。
そのおかげで主人公は守りに入ればかなり強く、回避と硬化を使い分ければダメージをあまり喰らわないくらい難易度が激減する。
かと言って遊びやすいゲームかと言われるとそうでもなく、最初から複雑で広いマップ、全てのアイテムが使用するまで効果が分からない仕様、敵の動作を覚えないといつ攻撃したらいいかも分からない戦闘と序盤のプレイヤーにかかる負荷は非常に高い。

しかしどの要素も分かってしまえば途端に簡単になるような要素ばかりなので、難易度は序盤は急上昇で後半は急降下とある意味面白い。
他にもチェックポイントが少なすぎたり、ボスが少なかったり、マップがなかったり、武器の種類が4種類しかなかったり、ストーリーもまったく分からなかったりと気になる点は多い。

だが、それらすべてを「価格」と言う名の暴力でこのゲームは吹き飛ばしてくるのである。現在セールでなんと95%オフの154円。プレイ時間も20~30時間は余裕で遊べるだろう。コスパ最強、いやもはやぶっ壊れである。
グラフィックに力を入れまくって、ゲーム内容はソウルライクをそれなりに抑えた出来でこの価格。
何を言っても「このグラフィックですけど何か?」「セールでこの価格ですが?」で返されてしまう、ある意味最強のゲームなのかもしれない。

 

【レビュー評価 6.5/10】

BGM 3
個性 4
グラフィック 10
価格 10

【レビュー動画(ずんだもん&松嘩りすく)】

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