このゲームは全体的に地味である。
主人公は見た目から繰り出す技まで基本、全部地味。 攻撃時のSEやエフェクトも気持ち程度。ヒットしたのかガードされたのかよく分からない所すらある。敵の見た目や動きも一部を除いてあくまで現実的。ゲームの面白さもプレイヤーが上達する所に重きを置いたクラシックスタイル。ゲームシステムもかなり防御よりで、どうしても派手さに欠ける。
どれを取っても人を選ぶ。なぜこんなゲームデザインなのかと言うと、このゲームのテーマが「功夫そのもの」であることに他ならない。
あなたは功夫と言えばどんなイメージを思い浮かべるだろうか。
「ホアアアア!」叫ぶ怪鳥音の様な声?または師匠や仲間とのコミカルなやり取り? それとも空中での連続技や吹っ飛ばすような激しいワイヤーアクション?
このゲームにはそういったものは殆どない。 このゲームは本物の功夫を表現したいがために、敢えて表現を現実的にしているのだ。ゲームシステムが防御よりなのも、ノールールの実践では命にかかわるので受け身主体なのは当然であろう。高難易度でプレイヤースキルを求めるのも功夫がそもそも「練習の蓄積やそれに掛けた労力」という意味なので当然である。
かなり敷居が高いゲームではあるが、ゲームを理解し、最初からやり過ぎとも言える 複雑で種類の多い操作をある程度使いこなせるようになれば、敵の攻撃を見切り瞬時の判断で的確に有効な技を決めていく快感はまさに武術の達人になったような気分で爽快である。
ここまでやり込んでようやくリアリティに拘ったゲーム設計を味わうことが出来ると言うのは 賛否が分かれても仕方ない所だが、一般的に受けは良いけど間違った「誤解」とも言える表現をあえて排除して「功夫」を表現することに全力を尽くした硬派すぎる姿勢は広く認められて欲しいと思う反面、娯楽としてもっと手軽に楽しみたいと思う気持ちもある筆者は「功夫が足りていない」のかもしれない。
派手さ | 3 |
レベルデザイン | 4 |
テイクダウン | 8 |
功夫 | 9 |
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