【レビュー】Slay the Spire

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ー『中毒性抜群的電子麻薬遊戯』ー

ローグライクとデッキ構築型。今ではよく見かけるこの組み合わせの先駆者として代表的なゲーム。
戦闘は毎回配られるカードを選択するシンプルなゲーム性ながら、全部で約350枚もあるカードの組み合わせから生まれる沢山の相乗効果、つまりシナジーの奥深さがあり、やられたら最初からやり直しでボスやマップやイベントは毎回ランダムと、とってもローグライク。
このローグライクのランダム性とパーマデス(死んだら最初からやり直し)の積み重ねがゲームプレイの上達による達成感を促し、プレイするたびに分からなかったカードの特性やシナジーに気づく楽しみ、そしてそれを多くのランダム要素からどうやって活用していくかを考える面白さがある。
グラフィックは簡素ではあるが味があるし、音楽も雰囲気があって良い。欠点らしい欠点は無いのではないかと思うほど良く出来たゲームだと思う。
実際、アーリーアクセス中になんと60回以上ものアップデートをしたようで、その作り込み、完成度は間違いないと言っていいだろう。

しかし残念ながらどうしても評価しにくい点がある。それは良くない意味で運ゲー過ぎるのと、難易度が高すぎる点。
マップ、ボス、イベント、カード配布、あとレリックというゲームの難易度を左右してしまうくらい極端な装備品、どれもがランダム。これらが最終的に気持ち良く嚙み合うようにランダムになっているなら良い運ゲーと言えるかもしれないが、このゲームはそもそもかなり強いカードが結構あり、更にシナジーも強く調整されているようで、運ゲーがいい方向に簡単に傾いてしまうとすぐにクリア出来て攻略の手ごたえが感じにくいので良い運ゲーにはしにくいだろう。同じ理由で難易度も高く設定せざるを得ない。
通常クリアでも人によっては自力クリアなら数十時間はかかるかもしれない。人気ゲームでありながら、高難易度のアセンション20のクリア実績の解除率が現時点で7.9%しかない点からも、このゲームの難しさが分かると思う。
しかし、この極端な調整と難しさがこのゲームが人気になった理由なのではないだろうか。

潜在的に強いカードが多いので、たまに強力なデッキが出来て運ゲーでクリア出来ると脳汁が出る。しかし攻略の手応えは少なく物足りなさを感じる。逆に良くないデッキでクリアした時は高難易度のせいもあって攻略の満足感はあるが、運ゲー特有の気持ち良さ、つまり脳汁が出ないのでやはり物足りなさを感じてしまう。クリア出来なくても運のせいにできる気楽さだし、1プレイの時間も短いので非常に遊びやすいが、やはりクリア出来ない残念さはある。
この絶える事のない渇望感こそがこのゲームの魅力であり、永遠と遊んでしまう恐ろしい所なのだと思う。
運ゲー要素の強さはYouTubeなどの配信ウケもよいだろう。視聴者として楽しめるのは想像に難くない。

この中毒性はまさに「電子麻薬」と呼ぶに相応しい非常に危険なシロモノであり、面白さを超えて遊んでしまうある意味、極悪で極上なゲームなのです。

 

【レビュー評価 7/10 Good!】

運ゲー 4
カードを理解するのに時間かかり過ぎる 4
1プレイ1~3時間の手軽さ 10
中毒性 10

【レビュー動画(ずんだもん&松嘩りすく)】

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