【レビュー】Blasphemous

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ーゲームにおける心技体とはー

「心技体」という言葉は、元は明治時代の柔術の本にあった言葉だそうだ。スポーツでもよく使われる言葉で、メンタル、テクニック、フィジカルと英語にすると何故か意味が分かりやすい。

では、ゲームにおける心技体とは何だろうか。
レベルデザイン、UI、ラグなどの操作性、サウンドやグラフィック…どれも心であり技であり体であるように感じる。つまり、ゲームはすべての面で心技体が問われると言う事ではないだろうか。遠藤雅伸氏の言葉「ゲームは総合芸術」はまさにその通りだと筆者も思う。

ようやく本題だが、このゲームの心技体はどうだろうか。グラフィックはドット絵ながらムービーも結構ある力の入りよう。キャラもぬるぬる動く。テキストはほぼフルボイスと思われるし、BGMもとても頑張っている。

反して、敵の配置やマップ構成などのゲームデザインは正直、ありがちと言わざるを得ない。敢えてやっている部分があるとしてもだ。ただ、ボス戦に関しては興味深い見た目、豊富な攻撃パターンとやたら気合が入っている。操作に関しても、梯子などから落ちる操作はB、下の段差に落ちる操作は下+Aと非常に間違いやすい。ゲーム中にメニューに入るのはスタートボタンで戻る時はB。メニューの出入りをなぜスタートボタンで統一しないのか。更には個人的には必須級のテクニックの空中での連続攻撃がジャンプして回避ボタン+攻撃と結構ややこしい。

フィジカルはやたら強いけど、メンタルやテクニックは物足りないというのがこのゲームの筆者の印象である。
バランスが悪いのは間違いないが、フィジカルでゴリ押す尖ったゲーム性に魅力があるのもまた事実。
ゲームにおける心技体の定義は難しいが、このゲームはその存在を感じさせるし重要だと思わせてくれる。そしてそのバランスが悪くても人によっては面白いと言う事もわからせてくれる。

「心技体」が柔術の言葉であった様に、柔軟性や多様性を持ってこのゲームを「めちゃくちゃ人を選ぶ力作」として受け入れたいと筆者は思います。

 

レビュー評価 6/10

操作性 3
ゲームデザイン
4
翻訳
8
グラフィック 8

【レビュー動画(ずんだもん)】

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